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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第7章 其の一ー7・隠れ別荘~予想外の再開‥そして…~
「はぁはぁ‥‥はぁはぁ‥‥」
"・・・・ふわっ・・・・"
乱れる息も整わない程に、ベッドに体を投げ出していたら‥頬に優しい山県さんの手が…
「山‥県さん・・・」
「・・・
すまなかった…
いきなりの事で俺も気が立ってたようだ・・・」
ベッドの端に座り、少し悲しそうな山県さんの瞳…
私はゆっくりと首を横に振る
「お前を‥縛れないのは十分理解していたつもりだっただけどな……
お前が何処に居ようとお前の自由だ、縛られる事の無い自由な世界‥それが似合っているというのに……
俺もまだ度量が狭い…」
後悔と顔に書いてある山県さんに、まだ怠い体を無理やり起こして背中から優しく抱き付く…
「‥ごめんなさい・・・
でも‥これだけは曲げられないの、曲げてしまえば私は私でなくなる…
私にも‥やってはいけない事はあるわ、戦争に本格的に荷担するのもその1つ、だから消えた手を出す前に…」
「・・・そうか・・・
色々事情があったんだったな、確かに俺達と共に居れば自然戦争に荷担する事になってしまう、居なくなるのが当たり前だ‥それをどうこう言うなど俺達には出来ん」
「本当に‥ごめんなさい・・・」
抱き付いていた筈が、逆に抱き締められる…
「辛くないか??」
「え??」
「その‥無理やりな事して悪かった…」
「少し怠いけど大丈夫よ…」
抱き締める腕は、相変わらずしっかりしていて力強い…
「・・・俺の方が辛かったのかもしれんな…
どんどん仲間が居なくなり、腹を割って話す相手も少なくなった、だからお前だけは‥変わらず居てくれるお前だけは手放したく無かったのかもしれん
‥‥そう言う俺もだいぶ歳を食ったが‥‥」
「・・・山県さんは変わらないわ、今でも第一線ですもの陸軍元帥でしょう‥
見た目では無く心は長州に居た頃のままよ、変わらず前線を歩き続けているもの…」
「そうか‥そうだな……」
強気な山県さんに弱気な山県さん、めったに人に見せない山県さんの本当の部分
明治最強の軍人と崇められている、山県さんの人間らしい本当の心……
「山県さんは山県さんよ…
私では何の慰めにもならないかも知れないけど…」
スッとベッドに膝立ちになり、頬を撫で返して優しいキスを1つ……
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