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夜想曲~瑠璃色の奇跡~
第2章 其の一ー2・隠れ別荘~幽霊と女性~
「・・・でも幽霊だけなの?」
「勿論生きてる人間も居る、取り憑かれている者も…
だが純粋な怪談話、怖いかな?」
そんなものは私は怖くは無い…
「・・・怖くなんかないわ
怖いのは生きている人の方…
簡単に人を殺すもの・・」
「戦争‥いやそれ以前から日本は刀という武器で人を殺して来た」
「本当に昔の話ね…」
「今の時代になる前はそうだったと聞いています
刀と刀での勝負‥現在の戦争より余程まともな感覚、私の書く話にも繋がります」
「刀と刀…
今の戦争は銃だから・・・」
お茶をテーブルに置いて立ち上がり、窓から外を眺める
「ほら・・・
銃を持った兵隊さん…憲兵かしら?
外国人である小泉先生を探りに来たのかも・・・
でも、この別荘には手を出せないわ‥お偉いさんの別荘ですもの…」
「探られる事はしていない」
「疑心暗鬼…
人の心の中に住む疑いの鬼よ
憲兵は人を疑うのが仕事だもの、誰彼構わず疑うわ」
「・・・蒼さんは良く理解してる、蒼さんこそ私のモチーフに合ってる」
「私が??」
小泉先生は椅子から立ち上がり私の側に……
「・・・浴衣1枚持って来ました‥蒼さんに着て欲しい」
「浴衣?私が?」
「はい、蒼さんが良い…」
「分かりました、浴衣貸して下さい着替えて来ます」
「ええ…」
渡されたのは風呂敷
確かに浴衣と帯が入っている感じ…
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