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贖罪の檻。
第2章 囚われた少女
形有るものは、いつか壊れてしまう。大好きなモノもしかり。
大好きなモノの本質を見ていないだけなのかも・・・しれない。
《 《
上から風が当たる気がして目が覚めた。
「着替え・・・」
身体を触ると服を着せられていた。
「何時だろう・・・」
気だるい身体をゆっくり起こしベッド脇のボタンを押す。
カナタ
「・・・彼方、さん。」
「おはようございます、月良さま。」
天井のスピーカーから返事が返って来た。
「おはよう、ございます・・・
(朝、なのね・・・。)」
返事の挨拶で朝だと理解した。
「お食事にされますか?」
「いいえ。何時か知りたかっただけです。」
「そうですか。なにかあったらお呼び下さい。」
「はい。」
答えを返してボタンを離す。
部屋の中は、オレンジの灯りだけ。
「お兄ちゃん・・・」