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贖罪の檻。
第16章  出荷通達
  


 売られていくこの身の上には、〝優しさ〟など酷なだけ。
 堕ちていくこの身の上には、〝非道さ〟が安らぎになる。

 淵に留まっていると・・・思っているのは、哀れな水鳥だけ。


 《 《


「いつから、居た?」

 タ オ
「汰音。あなたには、月良の診察をお願いしたのですよ。」


 平然としている男に怒りが収まらない。


「まぁ、〝魔性の女〟に靡<ナビ>いたって・・・とこだな。」


「全く。少し目を離すとこれなんですから。」


「まぁまぁ、〝お互いさま〟じゃねぇの?」


「〝なにが〟です?」


「だって、兄貴の罪で未成年を監禁してんだから・・・俺もお前も月良にしてみりゃどっちもどっちだろ。」


 偉そうに怒りをぶつけてくる主に淡々と答える。


「一緒にしないで下さい。」


「おいおい、お前だけ上に居るのはおかしいぞ。」

 ウルサ
「煩いですよ。」


 男の横を通ってベッドに座る。


  
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