この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
贖罪の檻。
第16章 出荷通達
「月良、すみません。人選をミスしたようです。」
優しく声を掛けて縛り上げられている手を解放する。
「あぁ、紅くなっていますね。」
「っ!!?」
ベルトで拘束されていた手首には、紅い筋が出来ていた。その筋に優しいキスを落とされて戸惑った。
「お前、歪んでんな・・・」
主の行動を見てつくづくそう思った。
「煩いですよ!さっさと、出て行って下さい!!」
「うわっ!」
床に落ちていたシャツ共々ベルトを投げつけられて受け身だけしか出来なかった。
「じゃあ、またな・・・月良。」
ヒラヒラと手を振って部屋を出た。
「大丈夫ですか、月良・・・」
「(・・・椥、さん?)」
今にも泣き出しそうな切ない表情を向けてくる男に警戒心を忘れていた。
「汰音なら大丈夫だと、私が甘かったですね。」
壊れ物に触るように前髪を撫でる。
「月良・・・・・・」