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第16章 　出荷通達

　　


「月良･･････？」


「っ。
（今更、優しくなんて･･･しないでっ。）」


　男の向けてくる表情が気持ちを揺さぶる。


「どうしたんです？急にご機嫌ナナメなのですか？」


「（流されちゃ、ダメ。）」


「月良･･･こっちを向いて下さい。」


「っ･･････」


　気持ちを引き締める為の心で叫ぶ言葉をかき消してしまうほどの甘く優しい声に年相応に反応しトキメキさえ感じ出す。


「こっちを、向いて･･･とお願いしましたよね？」


「っ！！？
（顔っ、近っ･･･）」


　グイッとアゴを掴まれ正面を向き直させられると男の端正な顔が目の前にあった。


「私を、〝好き〟でしょう？」


「（はい･･･？）」


　熱を帯びた潤んで見える瞳を向けて男が放った言葉に思考が止まる。


「（･･･いま、なん･･････て？）」


「私を〝好き〟ですよね？」


「（･･････ない、です。それは、ない。）」