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贖罪の檻。
第19章 無実の可能性
世界は、大きな力がいつも働いて全てを牛耳り動かしていく。
力ない者は、ただ流されるしかない。
それでも留まろうと努力は、出来る。
《 《
「じゃあ、〝お客のふり〟をして少女に逢えば言い訳ですね。」
兄の上司に呼ばれやって来た場所で頼まれたのは、とある少女との接触であった。
「簡単に言うとそういうことになる。実は、内偵させていた部下がよやく見付けて来たんだ。
接触が上手くいけばその子をかわいそうな生活から救ってあげられるのだよ。
申し訳ないが頼まれてくれるかい?」
息子や娘が関わっていることなど微塵も感じさせず話すこともなく秘書の弟に頼み込む。
「もちろんです。俺でいいならかまわないですよ。
でも俺で大丈夫かなぁ。」
「不安かね?」
「いや・・・不安って言うか。俺、兄貴にソックリだから・・・上手くいきますかね?」