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贖罪の檻。
第20章 闇に抱かれて
動きを封じられても心だけでも自由になりたい。だからあと1歩を踏み出してしまう。
《 《
「んっ・・・」
「よしよし、頑張ったな。」
牡の掃除を終えて口を噤<ツグ>んだ少女の髪を優しく撫でる。
「月良さま、よく出来ましたね。」
「もう、いい・・・でしょう。」
「はい。椥さまもお戻りのようですので終わりに致します。」
「・・・え?」
「さぁ、美咲。」
「ああ。またな、月良。」
「・・・・・・?」
ネチっこく〝指導〟と称して責め立てて来たのが嘘のようにあっさりと男たちが引いていく。
「彼方!」
「「!!?」」
全員が声に驚き入り口に目を向けた。そこには、部屋に居た全員の主・椥が立っていた。
「椥さま。」
「汰音は、下がりなさい。彼方は、用があるからここに居なさい。」
「はい。」