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贖罪の檻。
第23章 仕事と言う名の苦痛
「お前を囚えている奴は、俺が〝犯人〟だって知ってるんだから。」
「な、・・・て・・・・・・?」
去り行く男が最後の爆弾を落とす。
「まぁ、帰って主に訊くんだな。」
答えながら裾から少女の手を離しドアに向かう。
「待って!!?」
そう声を掛けたが男は、何事もなかったかのように部屋を出て行った。
「・・・椥さんが、〝知ってる〟?」
男の言葉が頭の中でリフレインする。
自分に〝贖罪〟として全てを奪い強要してきた男が本当は、なにもかもを知っていながら囚えていたのだと教えられ世界が崩れる音がする。
「っ、う゛っ・・・」
急激な吐き気に襲われ嘔吐いているうちに気を失った。
》 》
〝真実〟は、いつでも残酷でそのひとつで一気に奈落に堕としてくる。
真実を知っても救われないのなら・・・どうしたらいいのか。