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贖罪の檻。
第26章 垣間見える狂気
信じられない。でも、信じている。
揺らされ揺られながらも感じ、考える・・・。この“血の信頼”の強さを。
例えどんな狂気の荒波にさらされても。
《 《
意味深な客の元を手を引かれるままに離れた。しかしエレベーターでも、地下駐車場へ降りてからも執事が手を強く握ったまま放さない。
「あの・・・彼方、さん?」
自然光を浴びることもなく動きもたいしてしない身体には、小走りでさえ苦しい。
「月良さま・・・なんの話しをしていらしたのですか?」
「・・・・・・なんだか、よく判りませんでした。」
「本当ですか?」
「はい。」
男に言われた話しは、他言など出来る話題ではなかった。
「月良さま。」
「はい。」
「今回は、私たちのリサーチ不足だったのですが・・・椥さまがかなりご立腹でして、、、」