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贖罪の檻。
第26章 垣間見える狂気
戸惑う少女の手を放し車のドアを開けた。
「お帰りなさい、月良。」
「・・・・・・椥、さん。」
開けられた車のドアの先には、主の男が王子さまスマイルを向けて座って居た。
「〝お帰りなさい〟、と・・・言ったんですがね。訊こえていないのかい?」
「いいえ!!ただいま、帰りました・・・・・・」
今の状況に全くそぐわないであろう受け答えをしていた。
「さぁ、乗って下さい月良。」
「はい。」
有無を言わせない威圧感に素直に車へと乗り込んだ。
「彼方、出して下さい。」
「畏まりました。」
少女が乗り込んだのを確認してドアを閉め運転席に回る。
》 》
「っ・・・・・・」
「なんでお前がそんなに落ち込んでいる?」
一報を受けて弟の元に駆け付けると青ざめて椅子に座っている姿に声を掛けた。