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贖罪の檻。
第32章 兄の元へ・・・
あまりにも呆気なく、あまりにも唐突に・・・全てが変わる。
それは、恐ろしいくらいに・・・世界が変わる。
《 《
〝避妊〟と言う言葉に飛び付いたクスリで意識を失い目覚めるとまた世界が変わっていた。
「おはよう、月良。」
「おはようございます。」
明るくて温かくて穏やかな部屋で今日も目覚めた。声を掛けてくれたのは、自分を助けるのに一役も二役もかって出てくれた青年だった。
「さぁ、準備をしなくちゃ。
お兄さんと逢う日だよ。」
「は、い・・・・・・」
ずっと待ち望んでいた日なのにとても不安で落ち着かない。そしてあんなにも支配されていたのに急に自由になってそれも不安だった。
自由になって感じるのは、彼のあの眼差しと〝好き〟という言葉・・・。
「どうした・・・やっぱり、具合がよくないか?」
「いいえ。大丈夫です。」