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第38章 　宣戦布告･･･

　　


「まぁ、だろうな。俺は、いいけどお前を本気で助けようとしていたコイツは嫌ってやるなよ。」


　自分を浚った男が隣の会長秘書の弟を指している。


「いいんですよ。お兄さんのところに帰れてよかったね。でもなにかあったら連絡して。」


「･･････」


「お前は、本当にお人好しだな。」


「いいんですよ、俺は。」


「（ああ、いい人もちゃんと居てくれたんだ。）」


　兄から離されずっと誰にも心を開いたり安心できないと思っていたからきちんとその人個人を見てあげなかったのは、酷いことだと改めて自分の過ちに気が付いた。


「干亜さん。
　ホテルでもどこでも優しくしてくれてありがとうございました。」


「あっ、･･･うん。いいよ。」


　少女の愛らしい笑顔に困る。


　》　》


　知らないところで再び〝なにか〟が始まる。
　解放は、終わりではない。