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贖罪の檻。
第4章  もがれた果実
  


 ベッドに凭れるような体勢にして少し離れる。


「まぁ、こんなことを言っても信用ならないでしょうが・・・。私の仕事は、身の回りのお世話ですのであまりお気になさらないで下さい。」


 身体を震わせる少女に警戒されないように笑顔を向けて優しく自分の立場の話しをする。
 少女の境遇には、些<イササ>か同情を禁じ得ない。


「あの、ここは・・・どこでしょうか?」


 逃げ場を失ったので恐る恐る男に問い掛ける。


「ここは、乙女家の離れです。」


「〝乙女家〟・・・?」


 男からなんとなく訊き覚えのある名前に思わず思考回路が混線し止まりそうになる。


「〝乙女家〟・・・って、あの?」


「そうです。さすがにご存じでしたか、あの乙女家です。」


「(どうして。そんなお金持ちが、私を・・・)」


 〝乙女家〟とっは、日本有数のリゾート企業である。


 》 》


 時として人は、理不尽に踏みにじられてしまう。


  
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