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贖罪の檻。
第5章 兄の罪
圧倒的な力を前に動けない。どう動いたらいいのかさえ判らない。
世界の中で力無い者は、踏み付けられてされるがままで・・・
《 《
閉じ込められた部屋へやって来た優しげな男の話すことにいちいち驚く。
「では、昨日のあの方は・・・・・・」
答えが恐ろしかったが知りたい衝動を抑えられなかった。
「昨夜、月良さまの元にいらしたのは・・・」
「私の話しをしているですか?」
「っ!?」
答えに集中していると部屋にもう1人の声が入って来て驚いて身体が跳ねた。
ナギ
「椥さま・・・お越しですか。」
男が頭を下げて壁に向かって1歩下がる。
「目が覚めていたのですね。私から執事の彼方<カナタ>を紹介しようと思っていたんですよ。」
あからさまの拒絶反応を示す少女に少し苛立ちを感じながらも物腰柔らかく声を掛けた。
「(どう、しよう・・・)」
目の前に昨夜気を失うまで自分を蹂躙した男が居て震えが止まらない。