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贖罪の檻。
第8章 忍び寄る欲望
〝弁護士を立ち会わせてくれ〟と海外ばりに注文を付けるとあっさりと受け入れられ国選が逮捕された日の夕方には、やって来た。
しかしいかにも新米の弁護士の登場に落胆したのは、言うまでもない。
弁護士に依頼したのは、妹の保護。相手が相手だけにそれだけを最優先させた。しかし2日経った今日も弁護士は、1人で接見にやって来た。
「まずは、どう戦うかを考えませんと・・・」
「いいえ。妹がどうしているのかを知らないと・・・
(アイツらがただで置くとは、思えない。)」
心配なことは、自分が〝殺害した〟とされる女性の一族の権力だった。
「ご自宅には、行ったのですが・・・居ませんでした。」
素直に答える以外は、ない。
「そんな・・・」
「学校へは、体調不良を理由に休みの連絡が入っているようです。心配なのは、逮捕当日の夜から姿が見えないことです。」
知り得た事実をきちんと伝えた。
「そんな・・・アイツらが・・・」