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危険な香りに誘われて
第6章 男の嘘
翌日、二人は買い物へ出掛けようと車に乗り込んだ。
シートに何か落ちている。
真紀は、それを手に取った。
ピアス。
掌で小さな緑色の石が光っている。
昨夜のことが浮かんだ。
やっぱり、車に乗せたんだ。
足元に、丸めたティッシュも落ちている。
よく見ると口紅を拭きとったような跡がある。そしてシートの背もたれにくっついた髪の毛。
「賢也、誰か乗せた?」
「いや」
「シートに落ちてだけど」
真紀が、掌を広げて見せた。賢也は、無言で、ピアスを見つめた。
「誰かの忘れ物かな」
「あー、そういや乗せたわ。昨日、雨振ってたから、同じ塾の講師、駅まで乗せてったわ。その中に女の講師がいたな」
「その人どんな人?髪の毛短いの?」
「ああ。ショートだ。おい、心配するような相手じゃないぞ。40過ぎてるし」
「へぇ・・・・ショートなんだ」
真紀は、長くて茶色い髪をつまんで賢也の目の前に持っていく。
「この長い髪は、どう言い訳すんの?」
賢也の目が、大きく見開いて、その髪の毛をマジマジと確認する。
「お前のじゃない?」
「へぇ。私、こんなに髪の毛長かったかな?」
どう見ても、手に持っている毛は、真紀よりずっと長い。
「・・・・俺の勘違いかな。ショートじゃなかったかも」
男って、なんでバレても嘘つこうとするんだろう。
賢也の車から降りるとバンッと強くドアを閉めた。
「真紀」
賢也は、真紀を追いかけた。
「待てって」
走りだそうとする真紀の腕を掴む。真紀は、手を振りほどこうと暴れた。
「離してよ」
シートに何か落ちている。
真紀は、それを手に取った。
ピアス。
掌で小さな緑色の石が光っている。
昨夜のことが浮かんだ。
やっぱり、車に乗せたんだ。
足元に、丸めたティッシュも落ちている。
よく見ると口紅を拭きとったような跡がある。そしてシートの背もたれにくっついた髪の毛。
「賢也、誰か乗せた?」
「いや」
「シートに落ちてだけど」
真紀が、掌を広げて見せた。賢也は、無言で、ピアスを見つめた。
「誰かの忘れ物かな」
「あー、そういや乗せたわ。昨日、雨振ってたから、同じ塾の講師、駅まで乗せてったわ。その中に女の講師がいたな」
「その人どんな人?髪の毛短いの?」
「ああ。ショートだ。おい、心配するような相手じゃないぞ。40過ぎてるし」
「へぇ・・・・ショートなんだ」
真紀は、長くて茶色い髪をつまんで賢也の目の前に持っていく。
「この長い髪は、どう言い訳すんの?」
賢也の目が、大きく見開いて、その髪の毛をマジマジと確認する。
「お前のじゃない?」
「へぇ。私、こんなに髪の毛長かったかな?」
どう見ても、手に持っている毛は、真紀よりずっと長い。
「・・・・俺の勘違いかな。ショートじゃなかったかも」
男って、なんでバレても嘘つこうとするんだろう。
賢也の車から降りるとバンッと強くドアを閉めた。
「真紀」
賢也は、真紀を追いかけた。
「待てって」
走りだそうとする真紀の腕を掴む。真紀は、手を振りほどこうと暴れた。
「離してよ」