この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第6章 男の嘘
賢也は、真紀の腕を掴んだままスタスタと歩いて、車の前に行き、助手席のドアを開けた。
「乗れよ」
「嫌だ。他の女を乗せた車には、乗らない」
真紀は、プイッと顔を背けた。
「だから塾の講師だって」
まだ嘘をつこうとするか?
なんかで聞いたことがある。
男は、浮気現場を押さえられても「最後までやってない」って見え見えの嘘をつくって。
賢也も、そうなの?
目の前で、あの子を乗せたのを見たって言っても「知らない」とか「講師だ」って嘘をつきとおすのかな。昨夜、繋がったのは、体だけだったの?
「加賀美香」
「えっ」
「車に乗せてどこに行ったの」
賢也は、真紀から手を離した。何で、その名前を知っているんだ。まさか、昨夜、あそこにいたのか。賢也は、額を押さえた。
「ここまで言っても、まだ嘘つくつもり?何も知らないと思ってんの?公衆電話から電話掛けさせるなんて、随分手の込んだ真似するんだね。全部わかってんだよ?」
賢也は、固まっている。
浮気現場を押えられた男は、皆、こうなるんだろうか。
頭の中で、次の言い訳を考えているのかな。
「賢也、最低。嘘つき」
賢也を残して真紀は、走ってマンションの部屋へ戻った。
「乗れよ」
「嫌だ。他の女を乗せた車には、乗らない」
真紀は、プイッと顔を背けた。
「だから塾の講師だって」
まだ嘘をつこうとするか?
なんかで聞いたことがある。
男は、浮気現場を押さえられても「最後までやってない」って見え見えの嘘をつくって。
賢也も、そうなの?
目の前で、あの子を乗せたのを見たって言っても「知らない」とか「講師だ」って嘘をつきとおすのかな。昨夜、繋がったのは、体だけだったの?
「加賀美香」
「えっ」
「車に乗せてどこに行ったの」
賢也は、真紀から手を離した。何で、その名前を知っているんだ。まさか、昨夜、あそこにいたのか。賢也は、額を押さえた。
「ここまで言っても、まだ嘘つくつもり?何も知らないと思ってんの?公衆電話から電話掛けさせるなんて、随分手の込んだ真似するんだね。全部わかってんだよ?」
賢也は、固まっている。
浮気現場を押えられた男は、皆、こうなるんだろうか。
頭の中で、次の言い訳を考えているのかな。
「賢也、最低。嘘つき」
賢也を残して真紀は、走ってマンションの部屋へ戻った。