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危険な香りに誘われて
第6章 男の嘘
男は、嘘をつく。
どこまでが嘘で、どこからが本当なのか。分からない。
リビングで拗ねていると賢也が、戻ってきた。
知らん顔する真紀の隣に、賢也は腰を下ろした。
「俺の話、聞いてくれ」
「やだ」
逃げられないように真紀の腰を抱くと、こめかみに唇を押しつけた。
「あいつは、半年前までうちの塾に通ってた生徒だった」
「生徒の間は、可愛がるさ。言っとくけど男女問わずだぞ。下の名前で呼んだりもする。俺なりに相談にのってくれる優しい講師を目指しているからな。ところが、中にいるんだよな。勘違いするのが」
賢也は、ため息をついた。
「合格の報告をしに来た時に、これからは、ゆっくりデートできますねって、言われてゾッとした。あいつを特別扱いした覚えもねぇし、他の生徒より接触は少なかった位だぞ」
「合格出来たら、付き合うとか約束したんじゃないの?」
「んなこと言わねぇよ。頑張れよ、俺も応援してるから。なんかあったら、いつでも言えよ、くらいは、言ったけど。塾通いしている間は、外で2人っきりになったこともねぇしな。電話も無視してたら、公衆電話から掛けてくるようになったんだ」
どこまでが嘘で、どこからが本当なのか。分からない。
リビングで拗ねていると賢也が、戻ってきた。
知らん顔する真紀の隣に、賢也は腰を下ろした。
「俺の話、聞いてくれ」
「やだ」
逃げられないように真紀の腰を抱くと、こめかみに唇を押しつけた。
「あいつは、半年前までうちの塾に通ってた生徒だった」
「生徒の間は、可愛がるさ。言っとくけど男女問わずだぞ。下の名前で呼んだりもする。俺なりに相談にのってくれる優しい講師を目指しているからな。ところが、中にいるんだよな。勘違いするのが」
賢也は、ため息をついた。
「合格の報告をしに来た時に、これからは、ゆっくりデートできますねって、言われてゾッとした。あいつを特別扱いした覚えもねぇし、他の生徒より接触は少なかった位だぞ」
「合格出来たら、付き合うとか約束したんじゃないの?」
「んなこと言わねぇよ。頑張れよ、俺も応援してるから。なんかあったら、いつでも言えよ、くらいは、言ったけど。塾通いしている間は、外で2人っきりになったこともねぇしな。電話も無視してたら、公衆電話から掛けてくるようになったんだ」