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危険な香りに誘われて
第7章 女の嘘
距離を取ろうと、早歩きをしたが、歩幅の差もあってか、原田は、ぴったり寄り添うように着いてくる。
しかも、この人ごみ。トロトロと歩く人達を追い越すにも横に広がっているのでままならない。
無理して、追い抜かそうとして、すれ違う人とぶつかり、よろけてしまった。後ろから原田が支えるように両腕を掴んだ。
「大丈夫?」
「平気です。もうお店行ってください。お願いだから、私に構わないで下さい」
「あのさ、真紀ちゃん。拒否されると、余計落としたくなるって知ってる?」
背後からギュッと抱き締められ頭にキスが落ちてくる。
ふわりと甘い香りがほのかにした。
タバコと香水の匂い?賢也とは、また違う匂いだ。
「だめーっ」
腕を振ると肘が当たったらしく、原田は鳩尾を抑えている。
「今日の事は、忘れますから」
逃げるように走って駅へ向かった。
走ったせいなのか、原田に抱き締められたせいなのか、ドキドキが止まらない。
忘れろ、私。
忘れるんだ、これは、絶対マズイ。
揺らいだわけじゃない。
告られて舞い上がっているだけだ。
浮気じゃないよ、絶対違うから。
しかも、この人ごみ。トロトロと歩く人達を追い越すにも横に広がっているのでままならない。
無理して、追い抜かそうとして、すれ違う人とぶつかり、よろけてしまった。後ろから原田が支えるように両腕を掴んだ。
「大丈夫?」
「平気です。もうお店行ってください。お願いだから、私に構わないで下さい」
「あのさ、真紀ちゃん。拒否されると、余計落としたくなるって知ってる?」
背後からギュッと抱き締められ頭にキスが落ちてくる。
ふわりと甘い香りがほのかにした。
タバコと香水の匂い?賢也とは、また違う匂いだ。
「だめーっ」
腕を振ると肘が当たったらしく、原田は鳩尾を抑えている。
「今日の事は、忘れますから」
逃げるように走って駅へ向かった。
走ったせいなのか、原田に抱き締められたせいなのか、ドキドキが止まらない。
忘れろ、私。
忘れるんだ、これは、絶対マズイ。
揺らいだわけじゃない。
告られて舞い上がっているだけだ。
浮気じゃないよ、絶対違うから。