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危険な香りに誘われて
第8章 危険な虎
「は、原田さんっ」
隣には、見知らぬ男性がいる。年齢は、原田より、10歳は上に見えた。
「すごい偶然だね。一人」
「あ、いえ。彼氏と」
原田は、キョロキョロと店内を見渡した。
「今、トイレです」
「そっか。真紀ちゃんの彼氏を拝めるなんて、ラッキーだな」
原田たちは、真紀の隣のテーブルに腰を下ろした。生きた心地がしない。さっさと飲んで、店を出なくては。真紀は、ジュースを一気に飲み干そうとした。
キーンと頭が痛くなった。
「あたたた」
こめかみを指でぐりぐり押さえて、痛みを和らげようとした。
「大丈夫、そんな冷たいの一気に飲むからだよ」
隣のテーブルの二人が笑って言う。
誰のせいだよ、真紀は、口を尖らせた。
戻ってきた賢也は、席に着こうとしない。眉間にシワを寄せ、原田たちを睨んでいる。
「け、賢也。原田さんて、うちの会社の人だよ。偶然、バッタリ」
「真紀ちゃんの彼氏ってあなただったんだ、岡崎さん」
賢也の瞼が、ピクッと動いた。
「何で、俺を知ってる」
「あなたは、西中でも、有名でしたからね」
賢也は、鋭い目で、原田を睨み続けている。
原田の正面に座っている男性が、迫力に負けたのか、視線を反らした。
「邪魔するつもりはないんで。気にしないでください」
原田は、テーブル中央の灰皿を指で引き寄せ、タバコを咥えた。
賢也の目が大きく開いた。
一触即発。緊迫感に、真紀は、握り締める手の中に汗をかいていた。
もう耐えられない。
隣には、見知らぬ男性がいる。年齢は、原田より、10歳は上に見えた。
「すごい偶然だね。一人」
「あ、いえ。彼氏と」
原田は、キョロキョロと店内を見渡した。
「今、トイレです」
「そっか。真紀ちゃんの彼氏を拝めるなんて、ラッキーだな」
原田たちは、真紀の隣のテーブルに腰を下ろした。生きた心地がしない。さっさと飲んで、店を出なくては。真紀は、ジュースを一気に飲み干そうとした。
キーンと頭が痛くなった。
「あたたた」
こめかみを指でぐりぐり押さえて、痛みを和らげようとした。
「大丈夫、そんな冷たいの一気に飲むからだよ」
隣のテーブルの二人が笑って言う。
誰のせいだよ、真紀は、口を尖らせた。
戻ってきた賢也は、席に着こうとしない。眉間にシワを寄せ、原田たちを睨んでいる。
「け、賢也。原田さんて、うちの会社の人だよ。偶然、バッタリ」
「真紀ちゃんの彼氏ってあなただったんだ、岡崎さん」
賢也の瞼が、ピクッと動いた。
「何で、俺を知ってる」
「あなたは、西中でも、有名でしたからね」
賢也は、鋭い目で、原田を睨み続けている。
原田の正面に座っている男性が、迫力に負けたのか、視線を反らした。
「邪魔するつもりはないんで。気にしないでください」
原田は、テーブル中央の灰皿を指で引き寄せ、タバコを咥えた。
賢也の目が大きく開いた。
一触即発。緊迫感に、真紀は、握り締める手の中に汗をかいていた。
もう耐えられない。