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危険な香りに誘われて
第9章 虎と女帝
何がどうなって、こんなことになったのか、さっぱりわからない。
賢也と女帝の会話も意味不明。分かっているのは、賢也と女帝が、不仲だということだ。
真紀の腕を掴んだままズンズンと玄関へ歩いて行く賢也を引きとめた。
「賢也、待って」
「何だよ」
「私の靴、こっちじゃない」
「ああっ?柴田ーっ。てめぇ、どっから真紀を入れやがったーっ」
虎の雄叫びに真紀を案内した女が、真っ青な顔で飛んできた。
「申し訳ありません。奥様が・・・・。すぐお持ちしますから、お待ちください」
女は、小走りに廊下を走って行き、ヒールを胸に抱いて息切れ切れに戻ってきた。
「申し訳ありません、坊ちゃま。お許しください」
女の表情は、怯えているようにも見えた。
「うっせぇ。てめぇ、覚えてろ」
女からヒールをひったくると、賢也は、真紀に手渡した。
賢也の様子が、おかしい。
酷く興奮して、まるで血に飢えた猛獣。
見たことないくらい、イライラして、誰かを噛み殺してしまいかねない。
「賢也、もう怒鳴らないで」
宥めるように優しく声を掛けた。
賢也と女帝の会話も意味不明。分かっているのは、賢也と女帝が、不仲だということだ。
真紀の腕を掴んだままズンズンと玄関へ歩いて行く賢也を引きとめた。
「賢也、待って」
「何だよ」
「私の靴、こっちじゃない」
「ああっ?柴田ーっ。てめぇ、どっから真紀を入れやがったーっ」
虎の雄叫びに真紀を案内した女が、真っ青な顔で飛んできた。
「申し訳ありません。奥様が・・・・。すぐお持ちしますから、お待ちください」
女は、小走りに廊下を走って行き、ヒールを胸に抱いて息切れ切れに戻ってきた。
「申し訳ありません、坊ちゃま。お許しください」
女の表情は、怯えているようにも見えた。
「うっせぇ。てめぇ、覚えてろ」
女からヒールをひったくると、賢也は、真紀に手渡した。
賢也の様子が、おかしい。
酷く興奮して、まるで血に飢えた猛獣。
見たことないくらい、イライラして、誰かを噛み殺してしまいかねない。
「賢也、もう怒鳴らないで」
宥めるように優しく声を掛けた。