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危険な香りに誘われて
第10章 やっぱり虎
「何が、違うんだよ。ちゃんと言わねぇと、分かんねぇな」

賢也の瞳が光る。花弁から溢れ出る蜜、男を誘い込もうとする香り。賢也の欲望に熱がこもる。

「触って、教えてくれよ」

真紀は、そっと花弁に手を伸ばした。こんなに濡れて、恥ずかしい。顎を上げ、ギュッと目を閉じた。

「そのまま自分で気持ち良くなってみろよ」

言われるまま、指を動かした。敏感な芽、円をかくように刺激する。たまらず、甘いため息を漏らした。

「はぁ」

「自分でして感じてるのか。ホントにやらしいな」

賢也の言葉苛めも合わさって、指を濡らす蜜が、濃くなっていく。

「んんっ、賢也。意地悪・・・・しないで」

賢也は、太腿に歯を当て、少し強めに甘噛みした。真紀の腰が浮く。

「あうっ。噛んじゃだめぇっ」

「噛んだら、俺としないんだったよな」

「いやっ、してっ」

「手、休めんな」

もどかしい。賢也に触れて欲しい。触って。舐めてよ。真紀の指が、激しく動く。いやらしい水音を響かせて、真紀は、腰を浮かせた。
卑猥な行為を、賢也が眺めている。たまらないほど恥ずかしいと思う反面、見てほしいと思ってしまう自分がいる。

「どこが一番感じるか、言えよ」

「やだっ」

「言ったら、してやる」

「くぅっ」

「俺としないって言ったくせに、舌の根も乾かないうちにしてくれって言うんだから、今日は、簡単にしてやんねぇぞ」




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