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危険な香りに誘われて
第10章 やっぱり虎
楽しそうに、パークの景色を眺める真紀の隣で、賢也は、じっと真紀を見つめていた。

「外、見ないの」

「ああ。なんか、お前見てる方が、面白い」

「そんな変な顔してた?」

自分の両頬に手を当てて、首を傾げる真紀の頭に賢也が手を乗せた。そして、こつんとおでこをくっつけて、目をのぞき込んだ。

「お前といると楽しいよ」

賢也が目尻に皺を寄せて笑う。この笑顔を見ると胸がキュンとする。厳つい顔が、可愛く思えてしまう。真紀はそっと賢也の頬に触れた。

「私も賢也といると楽しい」

賢也の唇に自分の唇を重ねた。触れるだけのキスのつもりだった。

「んんっ」

がっしりと後頭部を抑えられ、舌を絡めてきたことにビックリした真紀は、体を引き離そうとした。しかし、賢也の腕に捕まれば、逃げる事など出来ない。

地上が近くなって、やっと解放され、ホッとする真紀に。

「やべぇな。真紀ちゃん。もう一周しねぇか」

苦笑いする賢也の股間が、膨らんでいる。

「しないわっ」

「誰のせいだよ」

「自分でしょう」

「てめぇ、これでひぃひぃ喜んでるくせに。覚えてろ、車の中で犯すからな」

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