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危険な香りに誘われて
第10章 やっぱり虎
男は、真紀に覆いかぶさり、ブラを引きあげた。

「い、いやっー」

手足をバタつかせ抵抗する。男は、真紀の両手首を頭の上で、束ねるように掴み、抵抗できなくすると、反対の手で、乱暴に乳房を握った。力を入れて揉まれても、ただ痛いだけだ。

「気持ち良いだろ」

ニタっと不気味に笑みを浮かべ、男は、真紀の乳房にむしゃぶりついた。ナメクジのように舌が這う。鳥肌がたち、嫌悪感が込み上げる。

「ひっ。・・・・やめて。誰か・・・・助けて」

男は、声を震わせ、泣き出す真紀を面白そうに眺め、乳首を指ではじいた。

「誰も来ねぇよ。朝まで、たっぷり可愛がってやるからな」

車が、発進しない。真紀の上に乗った男が怒鳴り声をあげた。

「おい、何やってんだ。さっさと出せよっ」

しかし返事が無い。
男は、真紀から身を離すと車のスライドドアを開けた。仲間の姿が見当たらない。おかしい。男は、片方の足をステップから下ろした。ぐにゅっとした感覚が足裏に伝わる。足下を見ると、自分の仲間が白目を向いて倒れていた。

「えっ、何だ。おい、どうした」

跨ぐように降り、倒れている仲間の肩を揺さぶる。

「気絶してる?」

肩を叩かれ、男が振り返った。
ガンッと顔面に衝撃を受け、男は気絶している仲間の上に倒れ込んだ。

「ぐっ・・・・・」

顔面がヒリヒリする。靴底で蹴られたらしい。男は、頭をブルッと震わせた。そして怒鳴りつけてやろうと振り返ったところ、顎にもう一撃。男の体が転がる。痛さのあまり、顎を抑えながら呻き、地面にのたうち回った。



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