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危険な香りに誘われて
第2章 7年後
その15分後、服を着た男二人と真紀は、和室で膝を突き合わせていた。
修平と夏樹は、並んで座り、向かい合わせに座った真紀が、ジロッと二人を睨みつける。

「いつからなの?」

修平が、躊躇っていた口を開いた。

「高校から」

驚きに言葉も出ない。
ショックを隠せずにいた真紀に夏樹は、ニヤッと笑って挑戦的な目を向ける。

「女の子の中では、真紀が一番好きなんだよ。これは、本当。でも一番好きなのは、夏樹なんだ」

正直な修平の言葉に、さらにショックを受けた。
好きなのは、夏樹。修平は、ハッキリと宣言したのだ。


映画館の隣接されたコーヒーショップで、ぶつかりかけた修平のシャツに真紀が、珈琲を零してしまったのが二人の馴れ初めで、まだ付きあって一年も経っていない。
期間だけでも確実に真紀の方が出遅れている。

セックスだって、二人のように激しいものじゃ無く、とても淡泊で、あっさりしたものだ。

互いに大事な部分には、手を使って触るだけの愛撫で舐め合ったこともない。

修平は、セックスが苦手だとも言った。
何度か勃たなかったこともある。

胸が小さい、幼児体型。そのことがコンプレックスとなり、裸を見られることに抵抗があった真紀自身もセックスは、あまり好きじゃ無かった。
だから修平とセックスレスになっても全く気にならなかった。



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