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危険な香りに誘われて
第11章 夜空に咲く花の下で
ガラガラッと家の引き戸が開いて、真紀の甥、雄介が飛び出してきた。
「真紀ちゃーん」
風鈴柄の甚平姿で駆けてくると、勢いよく真紀の腕に飛びついた。
「雄介、また大きくなったね」
真紀の腕にぶら下がっている雄介が、賢也を見上げた。
「おっちゃん、誰」
「おっ、おっちゃんっ」
賢也は、咽た。気管に何か入ったみたいだ。ゲホッゲホッと咳をする。
「しょうがないよ。賢也、お兄と一つしか変わらないもん」
真紀が、ケラケラ笑うと雄介も一緒に笑った。確かに、早く結婚していれば、このくらいの子供がいてもおかしくはない。賢也は、苦笑いした。
「なんかショックだ」
開けっ放しになった玄関から小太りの中年女が出てきた。真紀の母親だ。
賢也は、思わず、背筋を伸ばした。
「真紀、悪かったわね。あらやだ、真紀。彼氏まで連れてきたの?」
同棲している恋人がいることは、母親も知っている。ただ、その相手が、修平から賢也に変わったことは言っていない。
「う、うん」
「それなら早く言ってよ。家の中、ひっくり返ってるのよ。恥ずかしいわ」
「いいよ、今更」
「初めまして、岡崎です」
賢也は、丁寧に頭を下げた。
「真紀の母です。いつも娘がお世話になっています」
「いえ、俺の方こそ。挨拶にも来なくてすみません」
二人の会話を断ち切るように雄介が、大きな声を出した。
「真紀ちゃん、早く幼稚園行こうよ」
「真紀ちゃーん」
風鈴柄の甚平姿で駆けてくると、勢いよく真紀の腕に飛びついた。
「雄介、また大きくなったね」
真紀の腕にぶら下がっている雄介が、賢也を見上げた。
「おっちゃん、誰」
「おっ、おっちゃんっ」
賢也は、咽た。気管に何か入ったみたいだ。ゲホッゲホッと咳をする。
「しょうがないよ。賢也、お兄と一つしか変わらないもん」
真紀が、ケラケラ笑うと雄介も一緒に笑った。確かに、早く結婚していれば、このくらいの子供がいてもおかしくはない。賢也は、苦笑いした。
「なんかショックだ」
開けっ放しになった玄関から小太りの中年女が出てきた。真紀の母親だ。
賢也は、思わず、背筋を伸ばした。
「真紀、悪かったわね。あらやだ、真紀。彼氏まで連れてきたの?」
同棲している恋人がいることは、母親も知っている。ただ、その相手が、修平から賢也に変わったことは言っていない。
「う、うん」
「それなら早く言ってよ。家の中、ひっくり返ってるのよ。恥ずかしいわ」
「いいよ、今更」
「初めまして、岡崎です」
賢也は、丁寧に頭を下げた。
「真紀の母です。いつも娘がお世話になっています」
「いえ、俺の方こそ。挨拶にも来なくてすみません」
二人の会話を断ち切るように雄介が、大きな声を出した。
「真紀ちゃん、早く幼稚園行こうよ」