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危険な香りに誘われて
第11章 夜空に咲く花の下で
今日は、雄介の通う幼稚園で、夏の集いが催される。
雄介の親で、両親と同居する兄夫婦が、友人の結婚式に呼ばれていた為、夏の集いには、真紀の母親が、同伴する事になっていた。
ところが、近所の年よりが亡くなり、町内当番に当たっていた両親は、葬儀の手伝いをしなくてはならい。母親は、急遽、真紀に白羽の矢を当てた。
「父さんはね、葬儀に子供の一人くらい連れて行っても邪魔にならんって言うんだけど、ほら雄介、幼稚園のお祭り、楽しみにしてたでしょう。連れて行けないかもって言ったら、泣き出しちゃって。悪いわね」
「まぁ、いいけど。それより、のんびりしてて、いいの?」
「あっ、本当だわ。立ち話しなんてしてられないのよ。ほら、吉井さん、息子さんがいるんだけど、アメリカのほら、どこだったかしら、えーと」
「分かったから、行ったら?」
最近、とんと忘れっぽくなったと母親は、ぼやきながら葬儀の手伝いへ出掛けて行った。
真紀は、賢也を見上げた。
「私たちも行こうか?」
「ああ」
真紀は、いつの間にか手を離して、家の敷地で棒切れを手に土弄りしている雄介を呼んだ。
「行くよ、雄介」
雄介の親で、両親と同居する兄夫婦が、友人の結婚式に呼ばれていた為、夏の集いには、真紀の母親が、同伴する事になっていた。
ところが、近所の年よりが亡くなり、町内当番に当たっていた両親は、葬儀の手伝いをしなくてはならい。母親は、急遽、真紀に白羽の矢を当てた。
「父さんはね、葬儀に子供の一人くらい連れて行っても邪魔にならんって言うんだけど、ほら雄介、幼稚園のお祭り、楽しみにしてたでしょう。連れて行けないかもって言ったら、泣き出しちゃって。悪いわね」
「まぁ、いいけど。それより、のんびりしてて、いいの?」
「あっ、本当だわ。立ち話しなんてしてられないのよ。ほら、吉井さん、息子さんがいるんだけど、アメリカのほら、どこだったかしら、えーと」
「分かったから、行ったら?」
最近、とんと忘れっぽくなったと母親は、ぼやきながら葬儀の手伝いへ出掛けて行った。
真紀は、賢也を見上げた。
「私たちも行こうか?」
「ああ」
真紀は、いつの間にか手を離して、家の敷地で棒切れを手に土弄りしている雄介を呼んだ。
「行くよ、雄介」