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危険な香りに誘われて
第11章 夜空に咲く花の下で
夕方からの阪神巨人戦を見ようと父親がテレビをつけ、毎度のことのように岸本家では、親子対決が始まった。
当然父親は、巨人を応援し、兄は、阪神を応援する。近所迷惑ではないかと思うほど、テレビに向かって声援をする。
お前らは、監督か?と言いたくなるほど、うんちくを言い、ピンチになると必死で声を張り上げる親子。いつものことだが、真紀は、飽きれた。流石に賢也も飽きれただろうと、隣を見ると、賢也も食い入るようにゲームに集中している。
何が、そんなに面白いのか、分からない。真紀は、鮨を口に放り込んだ。
巨人が、1点リードしたまま8回の裏。
阪神が、満塁ホームランを放つと、それまでご機嫌だった父親の顔色が変わって怒りだす。
「なにやってんじゃ」
父親が、台を叩く前で、兄と賢也が2人一緒になって手を叩いていた。
「よし、いいぞ。このまま逃げちまえ」
9回表、巨人が、逆転ホームランを打つと父親が、立ち上がって喜んだ。
「おっしゃっー」
結局今夜は、巨人が勝った。
「いやーっ、ビールが上手い」
口に泡をつけて父親が喜ぶ隣で、兄が、ブスッとしている。
「ざまあみろ、ガハハハハハ」
賢也と兄にどや顔をする父親を見て、真紀は、ため息を漏らした。
「父さん、大人げないよ」
「賢也君、阪神なんて見捨てて巨人ファンになった方がいいぞ」
すっかり上機嫌の父親は、勝利のビールを美味しそうに口にした。
当然父親は、巨人を応援し、兄は、阪神を応援する。近所迷惑ではないかと思うほど、テレビに向かって声援をする。
お前らは、監督か?と言いたくなるほど、うんちくを言い、ピンチになると必死で声を張り上げる親子。いつものことだが、真紀は、飽きれた。流石に賢也も飽きれただろうと、隣を見ると、賢也も食い入るようにゲームに集中している。
何が、そんなに面白いのか、分からない。真紀は、鮨を口に放り込んだ。
巨人が、1点リードしたまま8回の裏。
阪神が、満塁ホームランを放つと、それまでご機嫌だった父親の顔色が変わって怒りだす。
「なにやってんじゃ」
父親が、台を叩く前で、兄と賢也が2人一緒になって手を叩いていた。
「よし、いいぞ。このまま逃げちまえ」
9回表、巨人が、逆転ホームランを打つと父親が、立ち上がって喜んだ。
「おっしゃっー」
結局今夜は、巨人が勝った。
「いやーっ、ビールが上手い」
口に泡をつけて父親が喜ぶ隣で、兄が、ブスッとしている。
「ざまあみろ、ガハハハハハ」
賢也と兄にどや顔をする父親を見て、真紀は、ため息を漏らした。
「父さん、大人げないよ」
「賢也君、阪神なんて見捨てて巨人ファンになった方がいいぞ」
すっかり上機嫌の父親は、勝利のビールを美味しそうに口にした。