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危険な香りに誘われて
第12章 皇帝
料亭か。当然和室だよね。正座、苦手なんだよな。
そんなことを考えつつ、部屋を案内する女将について行く。
池に鯉が泳ぐ日本庭園を眺めることの出来る離れの間。女将が、廊下に膝をつき、上品な声で部屋の中にいる賢也の父親に声を掛けた。
「岡崎様。失礼いたします。お客様が、ご到着されました」
両手で静かに障子を開けた。
上座には、中年の男が胡坐をかいて座っている。
その眼光は鋭く冷たい。真紀は、息を飲んだ。
品定めされるように頭の先からつま先まで、視線を浴びているのが感じとれる。
顔は、どことなく賢也に似ているが、父親の方が、端正な顔立ちをしている。
見た目は、賢也の方が、厳つい顔をしているのに、父親は、存在そのものが、厳つい。
まるで世の中を全て闇に変えてしまいそうなほど、真っ黒いオーラが男を包んでいる。
嫁が、女帝なら、父親は、皇帝がピッタリだ。それも闇の皇帝。真紀は、一人で先に来たことを後悔した。
そんなことを考えつつ、部屋を案内する女将について行く。
池に鯉が泳ぐ日本庭園を眺めることの出来る離れの間。女将が、廊下に膝をつき、上品な声で部屋の中にいる賢也の父親に声を掛けた。
「岡崎様。失礼いたします。お客様が、ご到着されました」
両手で静かに障子を開けた。
上座には、中年の男が胡坐をかいて座っている。
その眼光は鋭く冷たい。真紀は、息を飲んだ。
品定めされるように頭の先からつま先まで、視線を浴びているのが感じとれる。
顔は、どことなく賢也に似ているが、父親の方が、端正な顔立ちをしている。
見た目は、賢也の方が、厳つい顔をしているのに、父親は、存在そのものが、厳つい。
まるで世の中を全て闇に変えてしまいそうなほど、真っ黒いオーラが男を包んでいる。
嫁が、女帝なら、父親は、皇帝がピッタリだ。それも闇の皇帝。真紀は、一人で先に来たことを後悔した。