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危険な香りに誘われて
第13章 陽の当たらない世界
賢也の手が伸び、後ろに隠していたシャツを奪い返した。
そして、真紀の頬をペチペチと軽く叩くと笑って見せる。
「何怒ってんだよ。別に隠してる訳じゃねぇよ。悪い、時間ねぇんだ。帰ってから話し聞くわ」
「賢也、待って」
賢也が出て行った後、真紀は、玄関を出てマンションの下をのぞき込んだ。
黒いベンツが止まっている。
間違いない、毎朝、賢也を迎えに来るベンツだ。
乗り込もうとする賢也が、マンションを見上げる。真紀は、咄嗟にしゃがんで隠れ、息を殺した。
もう一度のぞき見た時には、ベンツは、もう消えていた。
何故、賢也は、何も教えてくれないんだろう。教えられない事があるのだろうか。
そして、真紀の頬をペチペチと軽く叩くと笑って見せる。
「何怒ってんだよ。別に隠してる訳じゃねぇよ。悪い、時間ねぇんだ。帰ってから話し聞くわ」
「賢也、待って」
賢也が出て行った後、真紀は、玄関を出てマンションの下をのぞき込んだ。
黒いベンツが止まっている。
間違いない、毎朝、賢也を迎えに来るベンツだ。
乗り込もうとする賢也が、マンションを見上げる。真紀は、咄嗟にしゃがんで隠れ、息を殺した。
もう一度のぞき見た時には、ベンツは、もう消えていた。
何故、賢也は、何も教えてくれないんだろう。教えられない事があるのだろうか。