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危険な香りに誘われて
第13章 陽の当たらない世界
皇帝は、そんな簡単に潰せる相手なのだろうか。賢也の思惑は、そんな簡単に成功するんだろうか。どう考えても賢也に勝ち目はない気がする。
下手をすれば、賢也は、殺されるかもしれない。

例え、親子でも相手は、皇帝だ。容赦なく、賢也を始末してしまう気がする。

「危ないことしないで」

「俺は、すぐ頭に血が昇って、やりすぎるところがあるのは、自覚してる。でも、善悪くらいは、判断できるし、爺や親父みたいな人間には、なりたくない。俺は、昼間の世界でお前と堂々と生きて行きたい。だから、分かってくれ」

「賢也」

「今、聞いた話は、忘れろ。誰かに何を聞かれてもお前は、何も知らない。いいな?」



何で賢也ばかりが、こんな目に遭うんだろう。
そこに生まれたばかりに、そんな運命を背負わされて。

世の中は、不公平だ。
私達は、何も望んでいないのに。
ただ、普通に生きて行きたいだけなのに。
それすらも望むなと、言うのでしょうか。


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