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危険な香りに誘われて
第14章 門限
道路の脇に黒いベンツが止まっている。運転席の前でウロウロしていた板倉が、店から出てきた賢也を見て駆け寄ってきた。
「賢さん。無事でしたか」
「ああ。悪いが、二人送ってやってくれ」
「はい」
板倉は、急いで運転席へ乗り込んだ。
賢也は、後部座席の扉を開け、先に郁美を乗せた。
続いて車に乗り込もうとする真紀の腕を掴んで引きとめ、郁美に聞こえないように耳元で囁く。
「帰ったら話聞く。怒られる覚悟は、しとけよ」
ゾクッとした。真紀は、賢也に顔を向けた。
「ご、ごめ」
パンッとドアが閉まり、真紀の声は、賢也に届かなかった。
「家まで送ります。住所教えてください」
板倉が、ミラー越しに訪ねると郁美は、ハンカチで涙を拭いながら住所を告げ「ありがとうございます」と一言添えた。
「あの・・・。賢也と同じ会社の人なんですか」
返事がない。聞こえているはずなのに。
「賢也と一緒にお店の中へ来た人は、賢也とどんな関係なんですか」
何を訪ねても板倉は、無言を貫いた。賢也が、何も喋るなと口止めしていたからだ。
真紀は、ふーっとため息をついて、窓の外に視線を向けた。
「賢さん。無事でしたか」
「ああ。悪いが、二人送ってやってくれ」
「はい」
板倉は、急いで運転席へ乗り込んだ。
賢也は、後部座席の扉を開け、先に郁美を乗せた。
続いて車に乗り込もうとする真紀の腕を掴んで引きとめ、郁美に聞こえないように耳元で囁く。
「帰ったら話聞く。怒られる覚悟は、しとけよ」
ゾクッとした。真紀は、賢也に顔を向けた。
「ご、ごめ」
パンッとドアが閉まり、真紀の声は、賢也に届かなかった。
「家まで送ります。住所教えてください」
板倉が、ミラー越しに訪ねると郁美は、ハンカチで涙を拭いながら住所を告げ「ありがとうございます」と一言添えた。
「あの・・・。賢也と同じ会社の人なんですか」
返事がない。聞こえているはずなのに。
「賢也と一緒にお店の中へ来た人は、賢也とどんな関係なんですか」
何を訪ねても板倉は、無言を貫いた。賢也が、何も喋るなと口止めしていたからだ。
真紀は、ふーっとため息をついて、窓の外に視線を向けた。