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危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
あれから広川と吉田、運転手の板倉は、何かって言うと賢也をからかうようになった。
「随分と熱を上げているようじゃねぇか」
「ほっといて下さい」
こいつらに真紀の顔を覚えられてしまった。
賢也が最も恐れていることだった。これで、組や会社を裏切れば、真紀が狙われる危険性が今以上に高くなる。自分が死ぬことは、恐れていない。覚悟もしている。だが、真紀を傷つけられることだけは、どうあっても避けなければならない。
仕事を辞めさせ、門限を作ったのも、出来るだけ外に出したくない思いからだ。
「あんな普通の女の子が、賢さんの恋人だなんて冗談きついっスよ。どうやって騙して手に入れたんスか?」
運転席から呑気な声がする。賢也は、眉間にシワを寄せた。
「どういう意味だよ。絞め殺すぞ、こら」
後ろから運転している板倉の首に腕を回して、軽く絞める。
板倉は、ハンドルから手を離した。
「アッ。危ねぇだろが」
助手席にいた吉田が、慌ててハンドルを掴む。
「がはははは。賢坊。一気に絞めなきゃ板倉が苦しむぞ」
賢也の隣から豪快な笑い声がする。
「そうですね」
「かっ、勘弁してくださーいっ」
「随分と熱を上げているようじゃねぇか」
「ほっといて下さい」
こいつらに真紀の顔を覚えられてしまった。
賢也が最も恐れていることだった。これで、組や会社を裏切れば、真紀が狙われる危険性が今以上に高くなる。自分が死ぬことは、恐れていない。覚悟もしている。だが、真紀を傷つけられることだけは、どうあっても避けなければならない。
仕事を辞めさせ、門限を作ったのも、出来るだけ外に出したくない思いからだ。
「あんな普通の女の子が、賢さんの恋人だなんて冗談きついっスよ。どうやって騙して手に入れたんスか?」
運転席から呑気な声がする。賢也は、眉間にシワを寄せた。
「どういう意味だよ。絞め殺すぞ、こら」
後ろから運転している板倉の首に腕を回して、軽く絞める。
板倉は、ハンドルから手を離した。
「アッ。危ねぇだろが」
助手席にいた吉田が、慌ててハンドルを掴む。
「がはははは。賢坊。一気に絞めなきゃ板倉が苦しむぞ」
賢也の隣から豪快な笑い声がする。
「そうですね」
「かっ、勘弁してくださーいっ」