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危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
休日の午後。
リビングのソファで、真紀は一人ファッション雑誌を見ながら寛いでいた。
賢也は朝から野暮用があると言って、数時間前に出て行ったきり、まだ戻ってこない。
退屈だな。
紅茶でも飲もうかと立ちあがろうとした瞬間、ガラステーブルに置いたスマホから着信音が聞こえた。
見知らぬ番号に顔をしかめ、迷いつつも電話に出ることにした。
『真紀ちゃん』
声を聞いて、思わず手からスマホを滑らせた。慌てて拾い、電話に出る。
「は、原田さん」
『何か、すごい音がしたけど』
「すみません。落としちゃったんです。それより、どうして私の番号を?」
原田と、アドレスの交換をした覚えはない。会社の誰かに聞いたのか。しかし、番号を知っている人間は、少ない。
『会社の緊急連絡網だよ』
真紀は、納得したように頷いた。
「それで・・・・どうしたんですか」
『昨日、最後の出勤日だったんだろう』
「はい、有給消化で最終日まで会社に行くことは、もうありません」
会話をしながら真紀の意識は、玄関へ集中する。いきなり帰ってこないよね。
『結婚するって、うちの部署の女の子から聞いたけど本当なのか』
「はい」
まだ具代的に何も決まっていないが、結婚を辞める理由にした。
『悪い事は、言わない。止めた方がいい』
リビングのソファで、真紀は一人ファッション雑誌を見ながら寛いでいた。
賢也は朝から野暮用があると言って、数時間前に出て行ったきり、まだ戻ってこない。
退屈だな。
紅茶でも飲もうかと立ちあがろうとした瞬間、ガラステーブルに置いたスマホから着信音が聞こえた。
見知らぬ番号に顔をしかめ、迷いつつも電話に出ることにした。
『真紀ちゃん』
声を聞いて、思わず手からスマホを滑らせた。慌てて拾い、電話に出る。
「は、原田さん」
『何か、すごい音がしたけど』
「すみません。落としちゃったんです。それより、どうして私の番号を?」
原田と、アドレスの交換をした覚えはない。会社の誰かに聞いたのか。しかし、番号を知っている人間は、少ない。
『会社の緊急連絡網だよ』
真紀は、納得したように頷いた。
「それで・・・・どうしたんですか」
『昨日、最後の出勤日だったんだろう』
「はい、有給消化で最終日まで会社に行くことは、もうありません」
会話をしながら真紀の意識は、玄関へ集中する。いきなり帰ってこないよね。
『結婚するって、うちの部署の女の子から聞いたけど本当なのか』
「はい」
まだ具代的に何も決まっていないが、結婚を辞める理由にした。
『悪い事は、言わない。止めた方がいい』