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第15章 明けない夜はない

「どうして、そんなことを言うんですか」

『君は、岡崎がどんな奴か知っているのか。あいつの親は、暴力団関係者だぞ』

「知っています」

『知っていて、結婚するのか。どうかしている』

原田の飽きれたような口調に真紀は、ムッとした。

「余計なお世話です。そんな話なら、もう切りますよ」

『待てよ。今ならまだ間に合う。悪い事は、言わない。岡崎賢也も父親と同じ世界の人間なんだ。あいつらは、人間のクズだ。あいつらは』

「ほっといて下さい。原田さんには、関係ないことです」

原田の話をぶった切るように、話の途中で電話を切った。

どこにぶつけていいか分からない感情が湧く。
賢也のこと何も知らないくせに。
真紀は、頬を濡らした。