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危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
互いに刀を向け、立ちあがると、ジリジリと間合を詰める。
「いいのか、津嶋の若い奴らが、お前のマンションの下で待機しているぞ」
「そんな脅し乗るものか」
「滝田、このバカに状況を説明してやれ」
スッと襖が開き、廊下に立つ男が、スーツの胸内ポケットに手を突っ込んだ。
チャカを持っているのか?父親の刃を気にしつつ、男にも意識を向ける。男が取り出したのは、スマホ。
「若い者をマンション前で待機させています。女が、出てきた所を襲うように指示しました」
「いつ、そんなことを。まさか、俺の行動をずっと見張っているのか」
父親が、口角を上げた。
「お前だけじゃない。お前の女もな。どうだ、親友は、力になってくれたか。根津は、お前の為に、何かしてくれると言ってくれたか」
賢也は、愕然とした。
「そういうことだ。わかったら、刀を鎮めろ」
男がスマホを耳に当てたまま、父親へ視線を向ける。
「今、女が出てきたと連絡が入りました。これから行動に移すかと聞いています」
「構わん。やれ」
「はい」
「よせっ。やめろ、やめてくれっ」
顔面蒼白になって叫ぶ賢也を見て、父親は、せせら笑った。
「お前が、惚れたばかりに、不幸だよな?」
「真紀に手を出すな。頼む手を出さないでくれ。本当に大事にしているんだ。守るって約束したんだ」
賢也は、ガックリと項垂れ、諦めた表情を浮かべた。
「降参か」
膝をつき、刀を畳に置いた。
「ああ」
「いいのか、津嶋の若い奴らが、お前のマンションの下で待機しているぞ」
「そんな脅し乗るものか」
「滝田、このバカに状況を説明してやれ」
スッと襖が開き、廊下に立つ男が、スーツの胸内ポケットに手を突っ込んだ。
チャカを持っているのか?父親の刃を気にしつつ、男にも意識を向ける。男が取り出したのは、スマホ。
「若い者をマンション前で待機させています。女が、出てきた所を襲うように指示しました」
「いつ、そんなことを。まさか、俺の行動をずっと見張っているのか」
父親が、口角を上げた。
「お前だけじゃない。お前の女もな。どうだ、親友は、力になってくれたか。根津は、お前の為に、何かしてくれると言ってくれたか」
賢也は、愕然とした。
「そういうことだ。わかったら、刀を鎮めろ」
男がスマホを耳に当てたまま、父親へ視線を向ける。
「今、女が出てきたと連絡が入りました。これから行動に移すかと聞いています」
「構わん。やれ」
「はい」
「よせっ。やめろ、やめてくれっ」
顔面蒼白になって叫ぶ賢也を見て、父親は、せせら笑った。
「お前が、惚れたばかりに、不幸だよな?」
「真紀に手を出すな。頼む手を出さないでくれ。本当に大事にしているんだ。守るって約束したんだ」
賢也は、ガックリと項垂れ、諦めた表情を浮かべた。
「降参か」
膝をつき、刀を畳に置いた。
「ああ」