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危険な香りに誘われて
第2章 7年後
「なぁ、真紀ちゃん」

「えっ」

「俺のこと好きだろ」

「は?」

賢也は、感じていた。チラチラと盗み見るような視線を。
真紀は、自分を確実に意識している。間違いない。
手に入れるまでは、我慢しろ。賢也は、焦るなと、自分に言い聞かせた。

「そんな訳ないじゃない」

なのに、絶対認めようとしない。
まぁ、いい。こうやって、時々顔を見せて、少しずつ、距離を縮めていけばいい。

「素直じゃねぇよな」

「ばっ、ばっかじゃない?あんたアホ?己惚れないでよ」

「アホッて。一応、これでも塾の講師で受験生の勉強見ているんだぞ」

「うわっ、生徒が気の毒」

「お前なぁ」



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