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危険な香りに誘われて
第15章 明けない夜はない
「真紀、俺、ここを出て行くわ」
夕食のあと、洗物を済ませると賢也から話があると声を掛けられた。
いきなり何だ?ドッキリ?真紀は、目をパチクリさせた。
「は?」
何度も瞬きをし、賢也を見つめる。
「ここ、お前の好きにしていいから」
「何、どういう意味」
「別れようって言ってんだよ」
「冗談きついよ、賢也。どうしちゃったの?わかった、なんか企んでるんでしょう?」
真紀は、軽く笑ってみせた。しかし賢也の目が、笑っていないことに気づくと笑うのを止めた。
賢也は、息を吐くように。
「引き返せない状況になった」
ボソッと言った。
聞き間違い?真紀は、目を瞬かせ声を震わせた。
「・・・・全然、意味わかんない」
首を横に振った。
「オカザキを継ぐだけで済まなくなった。意味、わかるだろう?」
オカザキを継ぐだけで済まない?
「だからって、何で、別れなきゃいけないの?理解できないよ」
嘘だよね?
あほ、本気にすんなよ、冗談もわかんねぇの?そう言って笑い飛ばしてよ。真紀は、賢也をじっと見つめていた。
「お前が、天涯孤独で、子供も産まない、普通の家庭も望まないなら、別れねぇよ。ずっと、側に置いて、死んでも離さねぇ。でも、違うだろ?お前には、親も兄弟も親戚もいる。身内に迷惑が、掛かる」
嗚咽がこみあげ、真紀は、口を塞いだ。体を折り曲げ肩を震わせていると、背中を優しく撫でる大きな手の温もりを感じた。
夕食のあと、洗物を済ませると賢也から話があると声を掛けられた。
いきなり何だ?ドッキリ?真紀は、目をパチクリさせた。
「は?」
何度も瞬きをし、賢也を見つめる。
「ここ、お前の好きにしていいから」
「何、どういう意味」
「別れようって言ってんだよ」
「冗談きついよ、賢也。どうしちゃったの?わかった、なんか企んでるんでしょう?」
真紀は、軽く笑ってみせた。しかし賢也の目が、笑っていないことに気づくと笑うのを止めた。
賢也は、息を吐くように。
「引き返せない状況になった」
ボソッと言った。
聞き間違い?真紀は、目を瞬かせ声を震わせた。
「・・・・全然、意味わかんない」
首を横に振った。
「オカザキを継ぐだけで済まなくなった。意味、わかるだろう?」
オカザキを継ぐだけで済まない?
「だからって、何で、別れなきゃいけないの?理解できないよ」
嘘だよね?
あほ、本気にすんなよ、冗談もわかんねぇの?そう言って笑い飛ばしてよ。真紀は、賢也をじっと見つめていた。
「お前が、天涯孤独で、子供も産まない、普通の家庭も望まないなら、別れねぇよ。ずっと、側に置いて、死んでも離さねぇ。でも、違うだろ?お前には、親も兄弟も親戚もいる。身内に迷惑が、掛かる」
嗚咽がこみあげ、真紀は、口を塞いだ。体を折り曲げ肩を震わせていると、背中を優しく撫でる大きな手の温もりを感じた。