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危険な香りに誘われて
第16章 止まない雨はない
翌日、真紀は、早速住所を頼りに朝の出勤時間を狙ってオカザキへ行った。
近くのコンビニ駐車場スペースからこっそり様子を伺う。
5階建てのビル。会社の看板も出ている。外観は、どこにでもある普通の企業。
出入りしている人間も普通のサラリーマンにしか見えない。中には、女性社員も交じっている。
暴力団の会社だと思っていた真紀は、目をパチクリさせた。
顔に傷のある人とか、指が揃っていない人とか、ケバケバのお姉さんとか、派手なネクタイ締めたおじさんとか、黒服にサングラスの男とかがいるとばかり思っていたのに。
そんな人全然いないんですけど。本当にここ?
そう思っていると、黒いベンツが一台、会社の前に止まった。
後部座席から降りてきたのは、間違いなくずっと会いたかった男。
周囲にいる社員が、全員軽くお辞儀している。
真紀は、賢也の背中を見た途端、駆けだしていた。
「賢也」
真紀の声に賢也の肩がピクリと反応する。
ゆっくりと振り返った賢也は、今まで真紀に向けたことのない冷たい表情を浮かべていた。
真紀の足が止まり、体が凍りついた。
真紀が、想像していたのは、感動の再会シーン。
しかし、それはガラガラと崩れ落ちていった。
近くのコンビニ駐車場スペースからこっそり様子を伺う。
5階建てのビル。会社の看板も出ている。外観は、どこにでもある普通の企業。
出入りしている人間も普通のサラリーマンにしか見えない。中には、女性社員も交じっている。
暴力団の会社だと思っていた真紀は、目をパチクリさせた。
顔に傷のある人とか、指が揃っていない人とか、ケバケバのお姉さんとか、派手なネクタイ締めたおじさんとか、黒服にサングラスの男とかがいるとばかり思っていたのに。
そんな人全然いないんですけど。本当にここ?
そう思っていると、黒いベンツが一台、会社の前に止まった。
後部座席から降りてきたのは、間違いなくずっと会いたかった男。
周囲にいる社員が、全員軽くお辞儀している。
真紀は、賢也の背中を見た途端、駆けだしていた。
「賢也」
真紀の声に賢也の肩がピクリと反応する。
ゆっくりと振り返った賢也は、今まで真紀に向けたことのない冷たい表情を浮かべていた。
真紀の足が止まり、体が凍りついた。
真紀が、想像していたのは、感動の再会シーン。
しかし、それはガラガラと崩れ落ちていった。