この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第16章 止まない雨はない
「賢さん」
板倉が、営業一課の扉を勢いよく開けた。はぁはぁと息を切らせている。
「どうした?」
「大変です」
口をパクパクさせている板倉を見て広川が、ハッとする。
「サツか?査察か?」
ふるふると首を振る板倉にイラつきながら、賢也と広川は、次の言葉を待った。
「それが」
「さっさと喋れ」
広川が、新聞を机に叩きつけた。
板倉は、落ち着こうとゴクッと空気を飲んだ。
次の瞬間、賢也は、営業一課を飛び出していた。
急ぎ足で下のフロアーへ行き、総務経理課へ飛び込むと、そこにはあり得ない人物が、経理課長と笑って話をしている。
「賢也さん。新しく入った岸本さんです」
「よろしくお願いします。賢也さん」
にっこりと真紀が微笑むと、賢也は、体をよろめかせた。
考えられない真紀の行動に、度肝を抜かれ、言葉も出ない。
「じゃあ、旭さん、岸本さんに各フロアー案内して」
「はい」
まて、こら。本気か?何考えてんだよ。
すれ違いざま、真紀が賢也に微笑む。賢也は、心臓を撃ち抜かれた気がした。何も言えないまま、真紀が出て行くのを見送った。
「しかし賢也さん。目が早いですね。ああいうタイプが、好みですか?私は、もう少し胸の大きい方が良いんですけどね」
賢也は、経理課長の胸ぐらを掴んで、鬼の形相を近づけ脅した。
「勝手に品定めしてんじゃねえぞ、こら」
「すみません、すみません」
手を離すと課長は、足をもたつかせ、そのまま尻もちをついた。
「くそっ、何考えてんだ」
板倉が、営業一課の扉を勢いよく開けた。はぁはぁと息を切らせている。
「どうした?」
「大変です」
口をパクパクさせている板倉を見て広川が、ハッとする。
「サツか?査察か?」
ふるふると首を振る板倉にイラつきながら、賢也と広川は、次の言葉を待った。
「それが」
「さっさと喋れ」
広川が、新聞を机に叩きつけた。
板倉は、落ち着こうとゴクッと空気を飲んだ。
次の瞬間、賢也は、営業一課を飛び出していた。
急ぎ足で下のフロアーへ行き、総務経理課へ飛び込むと、そこにはあり得ない人物が、経理課長と笑って話をしている。
「賢也さん。新しく入った岸本さんです」
「よろしくお願いします。賢也さん」
にっこりと真紀が微笑むと、賢也は、体をよろめかせた。
考えられない真紀の行動に、度肝を抜かれ、言葉も出ない。
「じゃあ、旭さん、岸本さんに各フロアー案内して」
「はい」
まて、こら。本気か?何考えてんだよ。
すれ違いざま、真紀が賢也に微笑む。賢也は、心臓を撃ち抜かれた気がした。何も言えないまま、真紀が出て行くのを見送った。
「しかし賢也さん。目が早いですね。ああいうタイプが、好みですか?私は、もう少し胸の大きい方が良いんですけどね」
賢也は、経理課長の胸ぐらを掴んで、鬼の形相を近づけ脅した。
「勝手に品定めしてんじゃねえぞ、こら」
「すみません、すみません」
手を離すと課長は、足をもたつかせ、そのまま尻もちをついた。
「くそっ、何考えてんだ」