この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第16章 止まない雨はない
車から降りた板倉は、暗い顔で賢也たちの後ろを歩いている。

「どうした、随分暗いじゃねぇか?」

会社の廊下を歩きながら広川が訪ねた。

「いえ。なんか、田中の爺ちゃんが、可哀想で。それに、あの畑って、保育所とかも借りているって言ってたし、やっぱり、止めませんか」

広川が、いきなり板倉の顔に手の甲を使って張り倒した。

「ぐはっ」

板倉が殴られた頬を手で押さえていると、広川は、板倉の胸ぐらを掴んだ。

「んなこと言ってたら仕事になんねぇだろがっ。同情なんてくだらん感情は、捨てろ」

「す・・・すみません」

広川は、さらに板倉の髪を掴んで、壁に頭を打ちつけた。

「俺に意見したいなら、一人前の仕事してからにしろっ」

普段、見せない広川の一面を見た。やっぱり、こいつも暴力団。賢也は、小さくため息をつく。

「すみません」

突き放すように板倉の髪から手を離した広川は、一人スタスタと歩いて行った。

「なんか、爺ちゃんのこと思い出しちゃって・・・・すみません」

板倉は、泣きそうな顔を隠すようにクシャクシャになった髪を握りしめ、俯いている。

「板倉。お前は、向いてねぇよ」

「賢さん」

「俺と違って、他の生き方も出来んだから、よく考えろ」

賢也は、ポケットに手を突っ込み、板倉に背を向けた。

/505ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ