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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
真紀が、着替えるのも忘れて家でぼんやりしていると。
「ただ今」
玄関先から賢也の声がする。もう、そんな時間?ソファから腰を上げ時計を確認した。11時過ぎ。賢也にしては、早い帰りだ。スリッパの音をさせ、玄関まで出迎える。
「早かったね」
「まぁな」
廊下で、賢也から受け取ったスーツの上着から香水の匂いが鼻をかすめた。
「女の人の匂いがする」
ムッとしたような拗ねたよな表情をする真紀を見て、賢也は、顔を綻ばせつつ、ぶっきらぼうにネクタイも押しつけた。
「妬いてんのかよ」
「悪い?」
開き直ったような口調。なんか文句ある?と言わんばかりの態度。賢也は、笑った。
「いや、いいけどよ。そんなことより真紀、充電っ」
賢也は、がばっと真紀に覆いかぶさるように抱きついた。
どんな香水も、自分を誘惑する真紀の香りには、勝てない。賢也は、鼻をヒクヒクさせた。
嫌なにおいがする。バッと真紀から身を離した。
「賢也?」
この特有の香水。なんで、こいつから。しかも、いつもなら帰るとすぐ部屋着になって寛ごうとする真紀が、会社にいた時と同じ服を着たままだ。親父は、今日、用事があると、さっさと帰って行った。賢也の顔が強張る。
「何でお前から、親父のにおいがするんだ。まさか親父と一緒にいたのか」
「ただ今」
玄関先から賢也の声がする。もう、そんな時間?ソファから腰を上げ時計を確認した。11時過ぎ。賢也にしては、早い帰りだ。スリッパの音をさせ、玄関まで出迎える。
「早かったね」
「まぁな」
廊下で、賢也から受け取ったスーツの上着から香水の匂いが鼻をかすめた。
「女の人の匂いがする」
ムッとしたような拗ねたよな表情をする真紀を見て、賢也は、顔を綻ばせつつ、ぶっきらぼうにネクタイも押しつけた。
「妬いてんのかよ」
「悪い?」
開き直ったような口調。なんか文句ある?と言わんばかりの態度。賢也は、笑った。
「いや、いいけどよ。そんなことより真紀、充電っ」
賢也は、がばっと真紀に覆いかぶさるように抱きついた。
どんな香水も、自分を誘惑する真紀の香りには、勝てない。賢也は、鼻をヒクヒクさせた。
嫌なにおいがする。バッと真紀から身を離した。
「賢也?」
この特有の香水。なんで、こいつから。しかも、いつもなら帰るとすぐ部屋着になって寛ごうとする真紀が、会社にいた時と同じ服を着たままだ。親父は、今日、用事があると、さっさと帰って行った。賢也の顔が強張る。
「何でお前から、親父のにおいがするんだ。まさか親父と一緒にいたのか」