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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
賢也の目が怖い。真紀は、思わず、目を伏せた。
「説明しろ」
真紀の顎に手をかけ、自分の方へ強引に向かせた。
どんな些細な嘘も許さないと賢也の目から伝わってくる。賢也に睨まれると動けなくなってしまう。真紀は怯えた。
「こ、怖いよ。賢也」
賢也は一旦真紀から顔を背け、息を吐いた。怖がらせたい訳じゃねぇ。心配しているだけだ。一歩も外から出さず、監視カメラを設置した部屋の中に閉じ込めてしまいたいと思うほど、大切な女だから。誰にも、傷つけられたくないのだ。賢也は、そっと真紀の頬に手を添えた。
「真紀、優しく聞いているうちに言えよ。じゃねぇと体に聞くぞ?」
例え親父でも、こいつに触れたら許さねぇ。
「親父と一緒にいたんだろ」
「今日・・・・・社長室に呼び出されたの」
「なんで」
「わかんない。賢也と寄りを戻したのかって聞かれた」
「で、親父に襲われたのか」
「ちょっと、触られただけ。それより、お父さんが、突然苦しがって」
真紀は、皇帝が、苦しそうにしていたこと、注射器を出して自分で打ったこと、持病があること、口止めされたことも、洗いざらい賢也に話した。
「モルヒネだろ」
賢也の口から出た言葉は、それだけだった。真紀には、信じられなかった。自分の父親が病気だと知ったら、心配するのが当然だと思っていた。しかし、賢也は、驚きも心配する様子も見せない。
「モルヒネって、聞いたことある。痛み止めだよね」
「ああ」
「病院とか行ってるのかな。ちゃんと治療とかしてるのかな」
「さぁな。でも、これで親父が焦っている理由が分かった」
「えっ」
「説明しろ」
真紀の顎に手をかけ、自分の方へ強引に向かせた。
どんな些細な嘘も許さないと賢也の目から伝わってくる。賢也に睨まれると動けなくなってしまう。真紀は怯えた。
「こ、怖いよ。賢也」
賢也は一旦真紀から顔を背け、息を吐いた。怖がらせたい訳じゃねぇ。心配しているだけだ。一歩も外から出さず、監視カメラを設置した部屋の中に閉じ込めてしまいたいと思うほど、大切な女だから。誰にも、傷つけられたくないのだ。賢也は、そっと真紀の頬に手を添えた。
「真紀、優しく聞いているうちに言えよ。じゃねぇと体に聞くぞ?」
例え親父でも、こいつに触れたら許さねぇ。
「親父と一緒にいたんだろ」
「今日・・・・・社長室に呼び出されたの」
「なんで」
「わかんない。賢也と寄りを戻したのかって聞かれた」
「で、親父に襲われたのか」
「ちょっと、触られただけ。それより、お父さんが、突然苦しがって」
真紀は、皇帝が、苦しそうにしていたこと、注射器を出して自分で打ったこと、持病があること、口止めされたことも、洗いざらい賢也に話した。
「モルヒネだろ」
賢也の口から出た言葉は、それだけだった。真紀には、信じられなかった。自分の父親が病気だと知ったら、心配するのが当然だと思っていた。しかし、賢也は、驚きも心配する様子も見せない。
「モルヒネって、聞いたことある。痛み止めだよね」
「ああ」
「病院とか行ってるのかな。ちゃんと治療とかしてるのかな」
「さぁな。でも、これで親父が焦っている理由が分かった」
「えっ」