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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
この瞬間が、まさに至福の時とばかりに賢也は、波に身を任せた。

「うっ」

呻き声と同時に、欲望から子宮にめがけて熱い体液が迸る。

賢也の欲望が、脈を打つようにビクッ、ビクッと動く。子宮の奥が熱い。真紀は、声を漏らした。
賢也は、全てを出し切ると、そっと真紀の中から欲望を抜き、足を下ろしてやった。
そして、真紀の身体を自分の方へ向かせると、高く抱きあげた。

真紀は賢也の首に腕を巻きつけると、汗まみれで冷たくなった体にしがみつき、自ら唇を重ねた。艶めかしい水音をさせて舌が絡む。
ゆっくりと唇を離し、見つめ合う。

「賢也、好き」

その一言が、どれほど胸を熱くさせるか知っているか。賢也は、目尻に皺を寄せて微笑んだ。

「愛してる」

誰よりも大切な女に、伝えずにはいられない。

「頼むから、俺の手の届く所にいてくれよ」
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