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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
真紀は、ひーひー言いながら賢也をベッドに寝かせた。

「身長の差がありすぎるんだから、勘弁して欲しいよ」

はぁはぁと息を切らしながら、泥酔状態の賢也に文句言うと。

「真紀ちん・・・・・靴下」

「えーっ、もう。はいはい」

黒い靴下を脱がしてやった。

「真紀ちん。服は」

「あー、もう。世話掛かるな。何で、こんなに酔ってんのよ」

文句を言いながら、スーツの上着とズボンを脱がせ、Yシャツのボタンに取り掛かる。

「おっさんらに、めちゃくちゃ飲ま・・・・」

ん?何故黙る?その続きは?嫌な予感がする。真紀は、賢也の顔を恐る恐るのぞき込んだ。

「賢也大丈夫?」

「おえっ」

おえっ?思わずベッドから飛び降りた。

「えーっ、吐く?吐くの?待って、トイレ行って、賢也」

「無理・・・・ゴミ箱とれ。うぷっ」

「嘘ーっ」

慌ててベッド脇のごみ箱を差し出すと、賢也は、まるでゾンビのように起きあがり、受け取ったゴミ箱に顔を突っ込んだ。

「おぇーっ」

「ぎゃーっ、いやーっ」

真紀は、自分の耳を塞いだ。
見ザル、聞かザル、臭わなザル。

「賢也、最低ーっ」
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