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危険な香りに誘われて
第17章 一場春夢
賢也が見せたのは、ネクタイ。

「何する気?」

手首に巻きつけ結ぶと、その端をテーブルの足に括りつけた。
万歳状態。真紀から腕の自由を奪った。

「やだ、賢也。これ取って」

真紀は、体を捩らせ、抗う。

「大人しくしてねぇと、ケツ処女奪うぞ」

ニヤリと笑って、賢也が唇を塞いだ。

「んっ」

賢也が、下唇を軽く噛む。

「二度としょうもねぇこと言わねぇように躾しとかねぇとな」

真紀は、息を飲んだ。胸が大きく上下する。

「やっ、やだっ」

真紀は、激しく首を振った。賢也にアイマスクを取りつけられ、何も見えない。
突然、全裸の体を爽やかな風が撫でていった。
まさか、ベランダのガラス戸を開けた?そんな状態で、セックスなんてしたら、ベランダにいる人やガラス戸を開けている住人に気づかれてしまう。

「賢也、何したの」

「良い天気だろ。閉めきってると暑いから、開けたんだよ」

「何考えてるの」

「もちろん、真紀のお仕置き」

「お仕置きならもう十分だよ。やめて」

「大きな声を出したら、隣近所に聞こえるぞ」

「ひっ」

脇を何かが這う。真紀は、たまらず声を漏らした。

「あっ、あっ、だめっ」

ゾクゾクする。賢也が脇の下を舐めている。真紀は、顎を上げた。

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