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危険な香りに誘われて
第18章 危ない男たち
「他の組員たちが、坂下の居場所をつきとめて、ちょっとばかし行き過ぎた制裁を加えてしまったらしい。それが不味かった。女が、騒ぎ出して、アパートの隣人に、警察へ通報されちまった。坂下は瀕死の状態で病院に担ぎ込まれ、女は、警察に保護された」

「警察で女が、騙されて売春パブで働いていたこと、全部暴露しやがった」

「今回捕まったのは、パブの経営者河本と店長の三田です」

「河本が、津嶋の傘下、稲田組の幹部だって事、バレるのも時間の問題かと」

「時間?逮捕する前に、もう分かっているだろ」

広川が、鼻を鳴らした。

「徹底した管理の元でやらせてんじゃなかったのかよ」

吉田が、組員に向かって怒鳴った。

「まずいな。賢坊、どうする?」

広川が、ザラついた顎を撫でながら、賢也に視線を向けた。

「こうなってしまったら、今更焦っても仕方ないでしょう。警察が来れば丁重に出迎えるまで。うちは、人材派遣をしていただけで、派遣した先の会社が、何をやっていたかなんて、知らない。そう言いきります」

「ふむ」

広川が、頷いた。

「派遣担当の市原は、何も知らないから、都合が良い。あいつと俺で対応します」

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