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危険な香りに誘われて
第19章 最期の夜
電話を切った賢也は、車の鍵を握った。
「ちょっと、出てくるわ」
「待って、病院なら私も」
「お前は、家にいろっ」
「ちょっと、賢也」
真紀の目の前でリビングのドアが閉まり、ごんっと、おでこをぶつけた。
「くうーっ。ああ、もうっ」
何かに奴当たりしたくなった真紀は、足元に見える籐の屑籠を蹴った。倒れた屑籠からティッシュや紙くずが飛び散る。
「ああっ、ゴミが」
いつも、いつも、私は蚊帳の外。大事なことは、何も教えてくれない。散らばった紙屑を見て、真紀は、泣きたくなった。
「賢也のあほーっ」
「ちょっと、出てくるわ」
「待って、病院なら私も」
「お前は、家にいろっ」
「ちょっと、賢也」
真紀の目の前でリビングのドアが閉まり、ごんっと、おでこをぶつけた。
「くうーっ。ああ、もうっ」
何かに奴当たりしたくなった真紀は、足元に見える籐の屑籠を蹴った。倒れた屑籠からティッシュや紙くずが飛び散る。
「ああっ、ゴミが」
いつも、いつも、私は蚊帳の外。大事なことは、何も教えてくれない。散らばった紙屑を見て、真紀は、泣きたくなった。
「賢也のあほーっ」