この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第19章 最期の夜
父親は、ふぅと肩で大きく息を吐いた。
「津嶋は、ちょっとばかし、大きくなり過ぎた。幹部の中にも甘い汁を飲み過ぎて太っちまったクズがいる。今、津嶋に必要なのは、新しい風だ。組長も俺も広川も、お前に風を起こして欲しいんだよ」
「わかんねぇな。俺のどこにそんな力があると思うんだ?」
「お前は、やれる。少なくとも、俺は、そう思っている」
賢也には、父親の真意が見えず、戸惑っていた。
今まで、腹を割って話しをする事なんて、一度もなかった。
これも、あんたの手口なのか?
それとも本心なのか?
コンコン。ドアをノックする音が聞こえ、二人は、口をつぐんだ。
「板倉です」
「悪いな、少し待っていてくれ」
「そこの談話室にいます」
板倉?そうか、家の者に入院したこと言っていなかったな。
入院の手続きは、賢也が済ませ、入院に必要なものは、広川と板倉が買い揃えた。病気を隠して自宅へ帰るなら、白鳥ではなく、板倉を呼んでも不思議ではない。
「お前の女、この俺が怖いはずなのに、生意気な口ばかりきいてよ。脅しても、脅しても、歯向かってくる。そのくせ、俺が弱っていると手を差し伸べようとする。お前も変な女に惚れたもんだ」
「ほっとけ」
「・・・・大事にしろよ」
賢也は、耳を疑った。聞き間違いか?
「今、何て言った。よく聞きとれなかったんだけどよ」
「変な女だと、そう言ったんだ」
「・・・・そうかよ」
「津嶋は、ちょっとばかし、大きくなり過ぎた。幹部の中にも甘い汁を飲み過ぎて太っちまったクズがいる。今、津嶋に必要なのは、新しい風だ。組長も俺も広川も、お前に風を起こして欲しいんだよ」
「わかんねぇな。俺のどこにそんな力があると思うんだ?」
「お前は、やれる。少なくとも、俺は、そう思っている」
賢也には、父親の真意が見えず、戸惑っていた。
今まで、腹を割って話しをする事なんて、一度もなかった。
これも、あんたの手口なのか?
それとも本心なのか?
コンコン。ドアをノックする音が聞こえ、二人は、口をつぐんだ。
「板倉です」
「悪いな、少し待っていてくれ」
「そこの談話室にいます」
板倉?そうか、家の者に入院したこと言っていなかったな。
入院の手続きは、賢也が済ませ、入院に必要なものは、広川と板倉が買い揃えた。病気を隠して自宅へ帰るなら、白鳥ではなく、板倉を呼んでも不思議ではない。
「お前の女、この俺が怖いはずなのに、生意気な口ばかりきいてよ。脅しても、脅しても、歯向かってくる。そのくせ、俺が弱っていると手を差し伸べようとする。お前も変な女に惚れたもんだ」
「ほっとけ」
「・・・・大事にしろよ」
賢也は、耳を疑った。聞き間違いか?
「今、何て言った。よく聞きとれなかったんだけどよ」
「変な女だと、そう言ったんだ」
「・・・・そうかよ」